壽 初春大歌舞伎 夜の部 [着物で歌舞伎]
一、歌舞伎十八番の内 矢の根(やのね)
曽我五郎 三津五郎
大薩摩主膳太夫 歌 六
馬士畑右衛門 秀 調
曽我十郎 田之助
五世中村富十郎一周忌追善狂言
二、連獅子(れんじし)
狂言師右近後に親獅子の精 吉右衛門
狂言師左近後に仔獅子の精 鷹之資
僧蓮念 錦之助
僧遍念 又五郎
三、神明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ)
め組の喧嘩
品川島崎楼より
神明末社裏まで
め組辰五郎 菊五郎
お仲 時 蔵
尾花屋女房おくら 芝 雀
九竜山浪右衛門 又五郎
柴井町藤松 菊之助
伊皿子の安三 松 江
背高の竹 亀三郎
三ツ星半次 亀 寿
おもちゃの文次 松 也
御成門の鶴吉 光
山門の仙太 男 寅
倅又八 藤間大河
芝浦の銀蔵 桂 三
神路山花五郎 由次郎
宇田川町長次郎 権十郎
島崎楼女将おなみ 萬次郎
露月町亀右衛門 團 蔵
江戸座喜太郎 彦三郎
四ツ車大八 左團次
焚出し喜三郎 梅 玉
一、矢の根
お正月らしいおめでたい演目。相変わらず三津五郎は安心して観ていられるな〜。しかし一番の見せ場は仁王襷を舞台上で結び直す場面じゃない?テキパキと美しく結び上げた後見さんに大拍手でした。
しかし、これは私の舞台を観る目に関する未熟さによるものかもしれないが、どーも演舞場で観る曽我ものは、曽我五郎がドン・ キホーテに見えるというか、あの姿が滑稽に見えてしょうがないんだよなー。
二、連獅子
吉右衛門の舞踊って凄く久しぶりに観た気がした。昨年は随分とお体が悪いように見えたので「大丈夫なのか、連獅子」と心配していたけど、しっかり毛振りもこなされ(ニザさまよりもちゃんと振ってた、笑)無事にひと月演じられそうでよかったよかった。
舞台全体としては二人ともかなり慎重に踊っているように見えましたね。一緒に踊るべき息子を持てなかった吉右衛門が踊った1976年以来の親獅子と父を失った鷹之資の仔獅子。実の親子が踊る連獅子にあるような無遠慮さによるスパークがないからか、二人の間には埋めようも無い距離感が流れる。しかし、それ故の深い思いやりが感じられて観ていて何度も泣きそうになりました。鷹之資の歌舞伎役者人生はきっと厳しいものになるだろうけど、どうか真っすぐに進んで欲しいと願わずにはいられなかったです。
三、め組の喧嘩
大勢の役者が出そろい威勢良い舞台になって楽しかったな。そして、菊之助の藤松のスッと立った姿の粋な美しさには目を見張った。男でもイケるじゃん!最後に梅玉が梯子につり下がって喧嘩の仲裁に入る場面ではハラハラしたよ。もう若くない役者がああいうアクロバティックな事やると心配で芝居どころじゃないっての。
この日は1月7日とまだ松の内だった為か、劇場でもいつもより着物、しかも柔らかものを着た人を多く見かけました。
私も極鮫の江戸小紋に、お正月&連獅子ってことで、祖母から譲り受けた唐獅子牡丹の帯を締めました。
お太鼓はこんな感じ
なんとかもっと獅子が出て来ないかと何度も結び直したんだけどダメだった。。
館内に飾られた大きな羽子板の前で一緒に行った友達と記念撮影。
因に何故「獅子」と「牡丹」はセットなのかと言うと、下記の通り。
百獣の王といわれる獅子にも弱みはあって、身体に寄生する虫によってその命をも脅かされることがあります。これが"獅子身中の虫"といわれるものです。どんなに大きく力のあるものでも、内部の裏切りから身を滅ぼすことにもなりかねない、という意味で使われますが、本来は仏典から出た言葉です。 その"獅子身中の虫"を活動させないためには薬になるものを飲まなくてはいけないのですが、その薬となるものが牡丹の花に溜まる夜露。それゆえ、獅子は牡丹の花から離れられない...というわけです。
『歌舞伎美人 歌舞伎 今日のことば』より
曽我五郎 三津五郎
大薩摩主膳太夫 歌 六
馬士畑右衛門 秀 調
曽我十郎 田之助
五世中村富十郎一周忌追善狂言
二、連獅子(れんじし)
狂言師右近後に親獅子の精 吉右衛門
狂言師左近後に仔獅子の精 鷹之資
僧蓮念 錦之助
僧遍念 又五郎
三、神明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ)
め組の喧嘩
品川島崎楼より
神明末社裏まで
め組辰五郎 菊五郎
お仲 時 蔵
尾花屋女房おくら 芝 雀
九竜山浪右衛門 又五郎
柴井町藤松 菊之助
伊皿子の安三 松 江
背高の竹 亀三郎
三ツ星半次 亀 寿
おもちゃの文次 松 也
御成門の鶴吉 光
山門の仙太 男 寅
倅又八 藤間大河
芝浦の銀蔵 桂 三
神路山花五郎 由次郎
宇田川町長次郎 権十郎
島崎楼女将おなみ 萬次郎
露月町亀右衛門 團 蔵
江戸座喜太郎 彦三郎
四ツ車大八 左團次
焚出し喜三郎 梅 玉
一、矢の根
お正月らしいおめでたい演目。相変わらず三津五郎は安心して観ていられるな〜。しかし一番の見せ場は仁王襷を舞台上で結び直す場面じゃない?テキパキと美しく結び上げた後見さんに大拍手でした。
しかし、これは私の舞台を観る目に関する未熟さによるものかもしれないが、どーも演舞場で観る曽我ものは、曽我五郎がドン・ キホーテに見えるというか、あの姿が滑稽に見えてしょうがないんだよなー。
二、連獅子
吉右衛門の舞踊って凄く久しぶりに観た気がした。昨年は随分とお体が悪いように見えたので「大丈夫なのか、連獅子」と心配していたけど、しっかり毛振りもこなされ(ニザさまよりもちゃんと振ってた、笑)無事にひと月演じられそうでよかったよかった。
舞台全体としては二人ともかなり慎重に踊っているように見えましたね。一緒に踊るべき息子を持てなかった吉右衛門が踊った1976年以来の親獅子と父を失った鷹之資の仔獅子。実の親子が踊る連獅子にあるような無遠慮さによるスパークがないからか、二人の間には埋めようも無い距離感が流れる。しかし、それ故の深い思いやりが感じられて観ていて何度も泣きそうになりました。鷹之資の歌舞伎役者人生はきっと厳しいものになるだろうけど、どうか真っすぐに進んで欲しいと願わずにはいられなかったです。
三、め組の喧嘩
大勢の役者が出そろい威勢良い舞台になって楽しかったな。そして、菊之助の藤松のスッと立った姿の粋な美しさには目を見張った。男でもイケるじゃん!最後に梅玉が梯子につり下がって喧嘩の仲裁に入る場面ではハラハラしたよ。もう若くない役者がああいうアクロバティックな事やると心配で芝居どころじゃないっての。
この日は1月7日とまだ松の内だった為か、劇場でもいつもより着物、しかも柔らかものを着た人を多く見かけました。
私も極鮫の江戸小紋に、お正月&連獅子ってことで、祖母から譲り受けた唐獅子牡丹の帯を締めました。
お太鼓はこんな感じ
なんとかもっと獅子が出て来ないかと何度も結び直したんだけどダメだった。。
館内に飾られた大きな羽子板の前で一緒に行った友達と記念撮影。
因に何故「獅子」と「牡丹」はセットなのかと言うと、下記の通り。
百獣の王といわれる獅子にも弱みはあって、身体に寄生する虫によってその命をも脅かされることがあります。これが"獅子身中の虫"といわれるものです。どんなに大きく力のあるものでも、内部の裏切りから身を滅ぼすことにもなりかねない、という意味で使われますが、本来は仏典から出た言葉です。 その"獅子身中の虫"を活動させないためには薬になるものを飲まなくてはいけないのですが、その薬となるものが牡丹の花に溜まる夜露。それゆえ、獅子は牡丹の花から離れられない...というわけです。
『歌舞伎美人 歌舞伎 今日のことば』より
江戸小紋もいいお色で素敵ですが、、、帯素敵ですね~♪♪
by puku (2012-01-26 16:05)
>pukuさん
ありがとうございます〜!ボロボロの帯だったんですが、お手入れで蘇りました。
by 黒猫 (2012-01-27 10:18)
この帯、キモノの色によって雰囲気かわりますね。中村座のときの黒がとってもステキで、あれを見てから私も黒いキモノが欲しくなりました。
けど、こちらの小紋でもまた明るく落ち着いた感じでステキです。
うーん、迷う・・・(って何を!)
by mitama (2012-01-27 14:11)
自分、こうゆうちゃんとした感想が書ける日がくるのか、いや来ない。
と拝見しながら反語なんぞ、お腹でつぶやいていました。
獅子の帯、生で拝見したいです。
by のの吉 (2012-01-27 22:28)
>mitamaさん
ありがとうございます!
確かにおっしゃる通り、黒の紬に締めると姉御風なんですが、色無地っぽい着物に合わせるとフォーマルっぽさも出る感じです。
是非両方とも、笑!
by 黒猫 (2012-01-29 11:05)
>のの吉さん
いや、全然ちゃんとしてないじゃないですか、笑!
ののさんの感想には細部のこだわりにいつも「なるほど〜」と唸ってます!
by 黒猫 (2012-01-29 11:08)
最近、人のことを羨ましがってばかりいるみたいだが、いやそれでも言おう。羨ましい!
はあ、歌舞伎見ない正月なんて、クリープのないナントヤラでしたわ。しかもきっちーの連獅子なのに。
唐獅子帯、ぴったりですね。
by はつき (2012-01-29 18:42)
>はつきさん
お正月の歌舞伎公演は特別ですよね。
来月の勘九郎襲名公演も、(中村屋贔屓ではないものの)おめでたいので楽しみにしています。
by 黒猫 (2012-01-30 10:04)