二月花形歌舞伎 [着物で歌舞伎]
女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)
河内屋与兵衛 市川 染五郎
お吉 市川 亀治郎
芸者小菊 市川 高麗蔵
小栗八弥 坂東 亀三郎
兄 太兵衛 中村 亀 鶴
妹 おかち 澤村 宗之助
叔父 森右衛門 松本 錦 吾
豊嶋屋七左衛門 市川 門之助
父 徳兵衛 坂東 彦三郎
母 おさわ 片岡 秀太郎
そう言えば行ったんだった。やばい、時間が経ったのでちょっと忘れかけてる、汗
ル・テアトル銀座ってどうなのよ?日生劇場みたいな寂し感じになっちゃうのかしら、と心配していたんだけど、ロビーに飾ってある繭玉は華やかだし黒い壁に赤い提灯が飾られた劇場内もむしろ演舞場より雰囲気出てました。
染五郎の与兵衛は10年前に歌舞伎座で観たんだけど、非常に印象に残る舞台だった。と言うのもその 3年前に観た仁左衛門の与兵衛と雀右衛門のお吉というコンビが今ひとつ期待した程ではなかったからなのよね。
仁左衛門直伝であるという染五郎の与兵衛は、いかにも現代の若者らしく、気分が変わりやすくてキレやすく情けない男でそれが非常に似合ってた。染五郎もやはりそのへんはしっくりくるが、仁左衛門が一世一代で演じた与兵衛が凄まじかったので、ちょっと評価が下がってしまったかな。あと、上方役者に比べると「なさけなさ」ってのはどうもあまり出てこないね。
殺しの場は舞台が狭いからか、滑り方も含めこじんまりまとまってしまったのと、仁左さまが演じる時に感じる殺しの快楽とそれによって興奮してきちゃってるエロティックさみたいなものも薄味なのが残念。
去年「引き窓」で染五郎を観た時、「仁左衛門にそっくり!」と思ったんだが、今回の与兵衛はあまり仁左衛門とは似てなかったのが意外。
普段はお吉を殺して逃げる所で幕なんだが、この日は与兵衛が捕らえられる場面まで演じられた。私は今回のバージョンの方が好きなんだ。親しい人を殺したのに何事もなかったかのようにあっけらかんと生きる与兵衛、悪い事をしたという自覚がないのだ。だから、お縄にかかっても反省するどころか「なんで俺が」ってなもんですよ。展開は違うんだけど「太陽がいっぱい」のラストシーンのようであり、「なぜ殺した?」と聞かれて「太陽がまぶしかったから」と答えた、カミュの「異邦人」のようでもある。
全体としては、うまくすれば染五郎の当り役となる予感。今後に思いっきり期待です。
軽いと言えば、今回特に感じたのが亀治郎のお吉の軽さ、うかつさというのも目立った。それ故か、殺しの場での「死にたくない、死にたくない」というセリフが妙にナマっぽく聞こえて印象に残った。
さて、この日は天気が悪くなりそうだったのと、前日の結城見学で体が疲れてしまっていたのでなるべく軽く、、という事で泥大島に博多帯を締めました。
その上に、仕立て上がったばかりの羽織を着て。乳の位置が低いので現在調整中。
河内屋与兵衛 市川 染五郎
お吉 市川 亀治郎
芸者小菊 市川 高麗蔵
小栗八弥 坂東 亀三郎
兄 太兵衛 中村 亀 鶴
妹 おかち 澤村 宗之助
叔父 森右衛門 松本 錦 吾
豊嶋屋七左衛門 市川 門之助
父 徳兵衛 坂東 彦三郎
母 おさわ 片岡 秀太郎
そう言えば行ったんだった。やばい、時間が経ったのでちょっと忘れかけてる、汗
ル・テアトル銀座ってどうなのよ?日生劇場みたいな寂し感じになっちゃうのかしら、と心配していたんだけど、ロビーに飾ってある繭玉は華やかだし黒い壁に赤い提灯が飾られた劇場内もむしろ演舞場より雰囲気出てました。
染五郎の与兵衛は10年前に歌舞伎座で観たんだけど、非常に印象に残る舞台だった。と言うのもその 3年前に観た仁左衛門の与兵衛と雀右衛門のお吉というコンビが今ひとつ期待した程ではなかったからなのよね。
仁左衛門直伝であるという染五郎の与兵衛は、いかにも現代の若者らしく、気分が変わりやすくてキレやすく情けない男でそれが非常に似合ってた。染五郎もやはりそのへんはしっくりくるが、仁左衛門が一世一代で演じた与兵衛が凄まじかったので、ちょっと評価が下がってしまったかな。あと、上方役者に比べると「なさけなさ」ってのはどうもあまり出てこないね。
殺しの場は舞台が狭いからか、滑り方も含めこじんまりまとまってしまったのと、仁左さまが演じる時に感じる殺しの快楽とそれによって興奮してきちゃってるエロティックさみたいなものも薄味なのが残念。
去年「引き窓」で染五郎を観た時、「仁左衛門にそっくり!」と思ったんだが、今回の与兵衛はあまり仁左衛門とは似てなかったのが意外。
普段はお吉を殺して逃げる所で幕なんだが、この日は与兵衛が捕らえられる場面まで演じられた。私は今回のバージョンの方が好きなんだ。親しい人を殺したのに何事もなかったかのようにあっけらかんと生きる与兵衛、悪い事をしたという自覚がないのだ。だから、お縄にかかっても反省するどころか「なんで俺が」ってなもんですよ。展開は違うんだけど「太陽がいっぱい」のラストシーンのようであり、「なぜ殺した?」と聞かれて「太陽がまぶしかったから」と答えた、カミュの「異邦人」のようでもある。
全体としては、うまくすれば染五郎の当り役となる予感。今後に思いっきり期待です。
軽いと言えば、今回特に感じたのが亀治郎のお吉の軽さ、うかつさというのも目立った。それ故か、殺しの場での「死にたくない、死にたくない」というセリフが妙にナマっぽく聞こえて印象に残った。
さて、この日は天気が悪くなりそうだったのと、前日の結城見学で体が疲れてしまっていたのでなるべく軽く、、という事で泥大島に博多帯を締めました。
その上に、仕立て上がったばかりの羽織を着て。乳の位置が低いので現在調整中。
連日着物でお出かけ、うらやましいです~!(^^)!
2月は1度も着ないまま、3月に入ってもまだまだ
チャンスがなさそうです。
そのぶん、ブログで楽しませてもらってます。(*^^)v
by sakura (2011-03-08 20:01)
亀○郎、昼と夜とでテンションちがくね?
と思いました。
テンション高い役でもないですけどね。
染五郎いいですよね。
個人的な染五郎ベスト1が、 『阿修羅城の瞳』@新感線(2000年版)ってのもどーなの。とは自分でも思ってるので、歌舞伎、もうちょっと精進します。(動詞おかしい?)
by のの吉 (2011-03-08 20:43)
なんだかんだいって、染五郎はこうした屈折したキャラがうまいですなあ。海老蔵にこの役を期待する声もあるようですが、どうなのかな?ヤツは不器用だから、こういう屈折した感じを表すのは意外に難しいのではないかと思っているんですが・・・。
おっしゃるように、さよなら公演で見た仁左衛門さんのときと比べると、殺しの場面が割りと物足りなかった感はありました。舞台が狭かったからなんですねー。
by はつき (2011-03-09 00:16)
>sakuraさん
1、2月は着物で出掛ける機会が多くて、つい「もっと欲しい!」と思って危険でした、、。
by 黒猫 (2011-03-10 10:11)
>のの吉さん
後から昼も見たいと思ったんですけど、チケ売っておらず、、。
染五郎ってブログ読んでもちょっとおかしな人ですよね。次男ってその辺自由なのかな〜。
by 黒猫 (2011-03-10 10:14)
>はつきさん
海老蔵ですが、「夏祭浪花鑑」を思い出すと殺しの場は良さそうな気がします。染ちゃんが出せないエロティックさとか暴力性とか。しかし、それ以外の場は平坦になりそう。
今回の事件でそういう闇みたいなのを出せるようになればいいんですけどね〜。
by 黒猫 (2011-03-10 10:19)